暑寒メロン栽培②

前回のお話はこちら

前回までは地域おこし協力隊(農業支援員)として着任した齋藤賢吾さんに

着任するまでのお話をお伺いしました。

今日は着任してから、これからに向けてのお話を伺ってきました!

親方との出会い

齋藤さんが雨竜町に来たのは2021年9月。

雨竜町での地域おこし協力隊の雇用窓口は役場になっているため

担当である産業建設課 農政林務担当から紹介されたのは

雨竜町内でメロン生産の規模と品質が良いといわれていた林さんでした。

林さんはこちらでも紹介されています。
https://takikawa.mypl.net/article/furusato_uryu/29203

特産品である「暑寒メロン」の栽培従事で着任しましたが

着任した9月はメロン栽培は終わってしまっているタイミングでした。

そこで最初に行ったのは別に紹介していただいた農家さんのところで

初めてにも関わらずコンバインとトラクターに乘って稲刈り作業を手伝ったそうです。

操作が難しく、ひっくり返りそうになったこともあったそうです(苦笑)

2つめの目標

稲刈りが終わった後に紹介されたのは水稲栽培をしながらイチゴもやっている農家さん。

冬に入る前にイチゴから伸びるランナーを切り分け株を増やす作業を手伝ったそうです。

齋藤さんはキャンプが趣味の一つだそうで、自然の中でできることが増えたら嬉しいと思っていたため

また、ハンター不足の現状を知り、自分が狩猟免許を取得したら地域で必要な人材になることができるとも

雨竜に来る前から考え、「ハンター」に興味があったそうです。

ご縁とは不思議なもので、このときお世話になっていた農家さんがハンターだったのです。

この後、実際に狩猟に何度か同行もさせてもらったそうです。

そして、狩猟免許を取得することを決意した齋藤さんは

2022年秋に第一種銃猟免許(散弾銃、ライフル銃)、第二種銃猟免許(空気銃)、わな猟免許を取得

2023年春に銃砲所持許可を取得して、今年の9月に北海道猟友会北空知支部に加入するそうです。

狩猟免許:環境省 https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort8/hunter/license.html

北海道猟友会 http://www.hokkaido-hunter.org/index.html

初めてのメロン栽培

北海道に移住して初めての冬。メロン生産の準備は2月の半ばからスタートします。

ハウス周りの除雪、ハウスのビニールかけから作業に同行しました。

雪が解け始める3月半ば頃からハウスの準備(メロンのベッドづくり)と育苗が始まります。

そして4月中頃から育った苗をハウスに定植し、芽かき・皿敷き…と

メロンにとってデリケートで管理に気をつけなければいけない怒涛の日々が続きます。

林家ではメロンだけでなく水稲栽培も行っており、こちらの播種・育苗もあります。

「この春先が同時並行して行う作業が多く、一番大変だ」と振り返っていました。

7月に入ってやっとメロンの収穫作業に入ります。

齋藤さんは選果や玉磨きなど出荷準備の作業を担当し、お盆前くらいまで続きます。

林さんのところは暑寒メロン(青肉)だけでなく赤肉メロン(暑寒レッド)も栽培しているため

育苗が終わったハウスに定植作業をして、赤肉メロンの収穫が9月中頃まで続きます。

その後、11月頭までハウスの片づけ作業を行って、メロン栽培の1シーズンが終了となります。

その後、前年お世話になった農家&ハンターさんのところでイチゴの苗づくりに

また一時お世話になり、冬は役場でメロン生産を振り返り、資料作りをして過ごしていたそうです。

2期目と課題

メロン生産2期目となった2023年。

前年と同じ流れで作業を進め、今年も無事に収穫作業を進めていました。

今年は様々な事情でハウス一棟分メロン栽培を任せていただいたようで

齋藤さん担当分のメロン収穫は8月頭頃ということで、出来栄えが楽しみですね。

2期目を迎えた齋藤さんに『地域おこし協力隊』で着任してみてどうだったかなどを伺いました。

「地域おこし協力隊で着任して良かったことは(雨竜町の場合)会計年度任用職員として雇用するため
毎月固定の給与や社会保険など、ある程度の生活が保障されていることがとても助かっています。」

「反対に役場の規則に従わなければいけないためデメリットもあります。
農家は機械や消耗品などお金がかかる仕事のため、自己資金が多いことに越したことはありません。
冬の農閑期に副収入を得て自己資金を増やしたくても、雨竜町では副業が禁止されているので
そこが課題というか改善してほしい部分ですね。」

「また、自分は今回運良くハウス一棟を任せてもらえましたが、農家を目指すうえで
言われたことだけをやるだけでなく、全部任せてもらうという経験はとても大事なことだと思います。
今後、新規就農者を増やしていくためには研修生が自由に使える土地やハウスがあると
自分の技術向上により繋がると思いましたね。
あとはマッチする農家さんが見つかるかという受け入れ態勢も大事ですね。」

親方への感謝とこれから

今年の9月で地域おこし協力隊任期3年目となる齋藤さんですが

親方である林さんについてお聞きしてみました。

「メロンの生産技術って、ぶっちゃけ教えたくないって言う人もいるんですね。
でも、親方はメロン生産戸数が減っている現状をみて、少しでも生産戸数を増やしたいという
気持ちが強いので、聞いたことが何でも教えてくれます。
しかし、ずっと付きっきりとかではなく、良い距離感を保ってくれていて
「あとは自分で考えてやってみな~」という感じなので、自分で考えながら作業させてもらい
とてもありがたい環境で働いています。」と嬉しそうに語っていただきました。

最後に今後についてもお聞きしました。

「もちろん雨竜でメロン生産規模1位を目指すことが目標ですが親方のようにメロンをつくりながら
家庭を持って、自分の家をもって楽しく暮らしていきたいですね」とのこと。

今年、JAきたそらち青年部雨竜支部(http://www.umaikome-uryu.com/)に加入した齋藤さん。

同年代とつながる機会をつくれたそうで、今後より良い関係づくりをしていきたいと仰っていました。

また、北海道農業公社主催のイベントなどで、生活を共にしてくれる相手も見つけていきたいとのこと。

公益財団法人 北海道農業公社 https://www.adhokkaido.or.jp/

最後に、これから新規就農を目指す人へ一言いただきました。

「新規就農するにあたって一番大事なことは『人間関係』だと思います。
研修先では「教えてもらう身」ということを忘れず多少大変なことがあっても将来のためだと思って頑張ってほしい。
そして、農家以前に『地域の一員』となるわけだから、集まりごとや行事に参加して
交流人口が増やしていくことが大事だと思います。自分にとってハンターがその一つです。
『人間関係』と『軸をもって仕事をすること』を大事にしてください。」

と新規就農する人に向けて熱いメッセージをいただきました。

齋藤さんの活動の様子は雨竜町地域おこし協力隊FacebookとInstagramで見ることができますので

気になる方はこちらもチェックしてみてくださいね。

雨竜町地域おこし協力隊 Facebook https://www.facebook.com/area.uryuu/?locale=ja_JP
雨竜町地域おこし協力隊 Instagram https://www.instagram.com/chiikiokoshi_uryu/?hl=ja

※年齢などは取材当時のものを記載しています。

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